グラウンディング・テクニック

photo by diesel_sto
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グラウンディング・テクニックはよくPTSDや他の不安障害のセラピーで用いられているストレス、不安、フラッシュバックなどに対処するのに役に立つスキルです。

 

Groundingという英語の言葉が意味をするように、地に足を付ける、Here and now(今この場所)にいる自分にフォーカスを戻すためのテクニックです。何かに不安を感じている時私たちは「もし…が起きたら…、」と未来に起きるかもしれないことを心配します。フラッシュバック、また他の災害後のストレス反応としてよく感じる後悔、罪悪感などといった感情は「あの時…できたはず、するべきだった」など過去の災害時の出来事について抱くものです。そういった今現在に生きる自分には直接コントロールできない(したくても)不安、感情から自分の心にスペースをあげ、冷静さを取り戻し、落ち着きを与えるのに役に立つメソッドです。

 

震災などでトラウマを受けた後、将来に不安を感じる、過去の出来事に心を縛られるということはとても自然なことです。ただそういった心の状態はトラウマからの心の回復を困難にします。トラウマに苦しむ心はとても張りつめていて、なかなかトラウマを抱えた人を肉体的にも精神的にも休ませません。ですが、心が落ち着いている状態がトラウマからの心の回復には必要であり重要なのです。グラウンディング・テクニックは心を落ち着かせる手段としてよくトラウマの治療に用いられています。

 

グラウンディング・テクニックの主要なポイント、Here and now は私たちにとても大切なメッセージを持っています。「今」は変えられる、でも過去、未来にある出来事は今の私には変えることはできない。英語で「今」はPresentともいいます。そうです、贈り物のプレセントと同じです。今この時を一生懸命生きることで「今」が大切に生きた過去となり、希望のある未来を築くとしたら、それが「今」が贈る私たちへのプレゼントなのかもしれませんね。

 

なんだか長い前置き(うんちくですね・・・)になってしまいました。ただセラピーで何かの手段を教える時、どうしてそれを用いるのか理解していることはとても大切です。この薬がなぜ処方され、どういった効能があるのか理解するのと一緒ですね。

 

では、2種類のグラウンディング・テクニックを紹介します。びっくりするくらいとても単純、簡単なものです。



 

五感を使ったテクニック

やりやすそうなものを一つ選んで練習してみてください。

  • 部屋の中をよく観察してみましょう。何がありますか?照明は明るいですか?頭の中で一つ一つのものを描写してみましょう。何か一つのものに集中してみてもいいでしょう。例えば絵が飾ってあれば、その絵について(色、登場する人物、物など)観察してみましょう。
  • 冷たい水にぬらしたタオルを顔にあて、その冷たさを感じましょう。または、氷を手にもって、その冷たさに意識を集中しましょう。
  • レモン、梅干しなどをゆっくり味わってみましょう。その酸っぱさにしばらく集中してみましょう。
  • クッション、枕、またはぬいぐるみをギュッと抱きしめて、その感触に意識を向けましょう。
  • まず椅子に座ります。両手を膝の上にのせ、太ももに押し付けます。同時に足は床(たたみ、カーペット)に思いきり踏みこみます。手が太ももを圧迫する感覚、足が床に根付く感覚に意識を集中させましょう。
  • 静かな、心休まる音楽に聞き入りましょう
  • 外から聞こえる音(鳥の鳴き声、風が吹く音、車の走り去る音など)に注意を向けましょう。
  • 好きなアロマオイルを数滴ティッシュにたらし、その香りに意識を集中させましょう
  • 何か自分にとって特別なアイテム(川で拾った丸く表面がなめらかな石、ガラスのビーズでできたブレスレット、好きなアロマオイルを染み込ませたハンカチなど)を持ち歩き、不安な時、ストレスを感じる時にグラウンディング・テクニックとして応用するのもいいと思います。

 

 

photo by Alexander Wallnöfer
photo by Alexander Wallnöfer

上に紹介したものはどちらかというと大人、中高生向きですが、もっと小さな子供にもアレンジで来ます。例えば、

 

  • 聞く-「耳をすませて何が聞こえるか教えて?」
  • 味わう-大人の時のように味覚を刺激する味のものを子供に与え「これはどんなあじがする?」と聞く
  • 触る-氷を手のひらにのせる、ギュッと握りしめられるボールをニギニギサさせる、鳥の羽根で手の甲、頬などをなでる
  • 匂う-果物、石鹸、歯磨き粉、など嗅覚を刺激するかおりをかがせる
  • 見る-「部屋の中にあるものを教えて」

 

小さい子供は自分の不安な時、ストレスを感じている時に自覚することがまだできません。

ですので、その感情の自覚ができるようになるまで、感情にうまく対処するため(グラウンディング・テクニックを用いるなど)には常に大人のガイドが必要です。

 

photo by Crystal Unrau
photo by Crystal Unrau

頭脳を使うテクニック

全然難しくないので試してみてください。ただ自分で自分に簡単な質問をして答えるだけです。

  • 私は今どこにいる?
  • 今日は何年、何月、何日の何曜日?
  • 私は今何歳?
  • 今の季節は?

こういったシンプルで、あまり特別な感情を引き起こさない質問を自分に問いかけ、答えることによって自分の心を現在にやさしく連れ戻してあげましょう。

 

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